2012年10月24日水曜日

霜降 (そうこう)


昨日1023日は霜降(そうこう)。二十四節気の第18番目。
「露が陰気に結ばれて霜となりて降るゆゑ也」

露が冷気によって霜となって降り始め、楓やつたなどの紅葉が始まります。深秋です。
そろそろ秋気が去り始め、寒冷を覚えること。関西ではまだまだ霜が降りる気配はありませんが、北の方では、初雪も降ってしまいましたから、もう始まっていますね。

天気予報で、この頃になると、「木枯らし1番」という表現を耳にすると思いますが、この日から立冬(今年は127日)までの間に吹く寒い北風を「木枯らし」と呼びます。

冬が近づく冷え込んだ空気の中、紅葉が一掃深みを増してきます。
昔から紅葉を眺めて楽しむ風習があり、「紅葉狩り」と言います。
「狩り」は本来、鳥や動物を捕まえるという意味で使用されるのですが、平安時代、狩りをしなくなった貴族たちが紅葉を求め、野山を周り、愛でる姿が狩りに似ていたことから、「紅葉狩り」というようになったらしいです。
先月の「お月見」しかり、貴族文化から始まった「美しいものを愛でながら、酒を酌み交わし、歌を詠む。」という日本文化の真髄のようにも思います。

ただ、いい季節は短く、落葉樹は葉を落とし、山々も冬を迎えるための冬支度がすぐ始まります。
私たちも衣替えをして、暖房器具を揃え、お鍋を出して、そろそろ冬支度を始めないとね。
冬に向け、美味しい食べ物も増えてきますからね。

ただ、悲しいかな、私は生まれてからほんとにゆっくり「紅葉狩り」も行ったことがありません。気が付けば、木枯らしも吹き終わり、寒い冬真只中にやっと「正気」に戻ります。(笑)
家業とはいえ、この季節は来年(巳歳)のカレンダーの最終製造に追われ、また再来年(午(うま)歳)の暦を手にしながら、新しい商品の企画を考えています。
平成24年やの25年、26年が頭の中を飛び交い、混乱しています。
とはいえ、結構好きな季節かもしれません…。

風邪などひかないよう、短いいい季節をそれぞれのライフスタイルの中で、楽しみましょ。

2012年10月10日水曜日

寒露(かんろ)



二十四節気の第17
今年は10月8日でした。つまり二日も前…。
こうやって季節の流れを書き綴っているのに、タイムリーじゃないって…よくない!!
このところ仕事が繁忙期に入り、ちょっと余裕がないのです…。なんて言い訳も良くないですが。

さて、気を取り直し、「寒露」とは言葉通り、が冷気によって凍りそうになる頃で、などのの渡りが渡ってきます。秋が深まり、の花が咲き、山は少しずつ紅葉の準備が始まります。秋の虫達が鳴き止むようになります。

「陰寒の気に合って露結び凝らんとすれば也」。

稲刈りも終盤となり、各地から新米が届く頃。
炊き立てのぴかっと光ったご飯を頂く、これも日本人のこの季節ならではの贅沢の極みでしょうか・・。

といっても、今年は残暑が厳しく長く、未だに、昼間は25度前後(関西圏は・・)まだまだ日焼けしそうな日差しですが、さすがに朝晩の空気はかなりひんやり感じられるようになりました。
背過ぎがピンと張るような空気感は夏のなまり切った体を起こしてくれそうです。

空気が透き通るので、夜空を見上げると、澄んだ星空が臨めるのも、この季節ならではです。
明るい大阪の夜空でも、星がきれいに見える季節となります。

二十四節気は夏の頃は「覚悟」を感じるような言葉が並び、秋になると、それが「安堵」を感じるようになります。言葉が持つパワーなのでしょうか。

私は秋生まれなので、この季節は好きなのですが、今の仕事はそのいい季節を感じる暇がなくなります。
ただ、「暦」を正しく伝える仕事に従事している以上、たとえこの季節でも、移り変わりを五感で感じたいものです。

残業からの帰り道の空気が日々冷え込んでいく中、ふとそう思います。