2013年4月30日火曜日

穀雨 七十二候 4/30~5/4・末候



ゴールデンウィーク前半のお休みは気温も高く、お天気も良く、何をするにもいい日和でしたが、どのように過ごされたのでしょう。
私は衣替えに、靴の入れ替えにと…気になる仕事を後回しにしながら、お天気を有効活用させていただきました。
ただ、昨夜からの雨の後、一転して、大阪も気温が上がらず、寒い…。ちょっと例年とは違う季節を迎えています。

さて、暦の上では、この二十四節気「穀雨」の末候は
「牡丹はなさく(ぼたん はなさく)」
春から初夏の花が咲き誇ってゆく時季となります。
牡丹の花は、この季節を代表する、芍薬、百合とともに、大輪の花を咲かせ、「百花王」と呼ばれるようにまさに、美の象徴のような花ですね。
古くから、日本の女性のあこがれとして、「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」なんて言われていましたが、この絵を想像できる人っておられるでしょうか…。今は通じないかな…。

また、月が替わり、52日は「八十八夜」。
昨年のブログにも書きましたが、「茶摘み」の童謡で有名ですね。
立春から88日目という「八」という数字にかけて、縁起のいい日として、また「八+八」で「米」という字になることから、農業従事者にとっては、とても特別な日とされ、秋の収穫を願う日でもあります。
もちろん、新茶の出回る季節なので、この時季に摘まれる「一番茶」は一番旨み、香りが高いそうです。

冬を越え、春がゆき、夏を迎えようとするこの季節、日本らしい季節の変化を一番感じる時です。
って、たぶん私の仕事柄、この時季しか、季節をゆっくり感じる時がないからかもしれませんね…。
今年はちょっと異常に寒さを引きずっていますが、もうすぐですよ…。
後半のお休みもぜひ、ゆっくり季節を味わってみたいものです。

2013年4月25日木曜日

穀雨 七十二候4/25~29・次候



先日は、「穀雨」らしく、春雨が降り…と言っても菜種梅雨のようにはいかず、かなりきつく降る時もあり、やはり暦通りにはいきませんね。
さて、草木の芽が伸び始め、
4月25日から29日は「穀雨」の次候
 「霜止で苗出ずる(しもやんで なえいずる)」の時季になります。
朝晩の冷え込みももう感じなくて済みそうですが。。。
稲の種をまき、芽が出て、苗代を作っていくという、米どころ日本らしい七十二候です。

この七十二候の元となる中国の七十二候では、この「苗が出ずる」ではなく、
「鳴鳩(いかる・いかるが・めいきゅう)其羽(そのはね)を払う」となっています。
七十二候の中には鳥を読んだものが多いのですが、
鳴鳩とは、一般的な鳩や郭公(カッコウ)とも言われ、羽をはためかせ、清める時節と言われます。
ここに挙げる「穀雨」の次候は日本用に編纂され、苗代を作る季節に置き換えられたようです。

さて、この週末からはゴールデンウィーク前半の連休です。関西はまずまずのお天気のようですが、私はやっと晩春を迎え、衣替えです。
カレンダー通りの休日で、30日からはまた仕事ですが、「穀雨」の末候について、書く予定です。
いい季節に動いていきますね。いい頃は短いもの…楽しみたいものです。


2013年4月22日月曜日

穀雨(こくう)と七十二候 初候


またまた、日が過ぎてしまいましたが、
4月20日は二十四節気の「穀雨」でした。詳しくは一年前のプログを読んでくださいね。
暦の上では、暖かな雨が続き、穀を潤すことから「百穀春雨」と呼ばれる雨が降る頃です。この季節に咲く菜種とあわせて、「菜種梅雨」とも言いますね。この雨の中、農家では種まきの時季となります。
 またこの「穀雨」の日から24日が、さらに詳しい暦である七十二候の初候
葭始めて生ず(あしはじめてしょうず)」の頃です。
葭(あし)は葦とも書きますが、「ヨシ」とも言われます。
「ヨシ」はこの時季に枯れ木色の水辺で新芽が出て、一気に成長していきます。
昔から、すだれや屋根、紙などに重宝されてきた「ヨシ」の成長は春とともに生活に喜びをもたらすとも言われています。

 ただ、このところ、少し実際の気象と暦がかなりずれている気がします。もともと、旧暦で動いている二十四節気や七十二候を過ぎれば、新暦の季節も動くという、暦が少し先を走っているずれがあるものなのです。
しかし、ここしばらくはどうも、暦が一人歩きで、実際の天候はずれどころか逆行しているみたいですね。今日の大阪も朝夕はとても冷え込んで寒く、例年楽しみの「造幣局の桜の通り抜け」は満開ではあるようですが、この寒い中、今日で終わりなんです…。ほんと異常です…。
でもこれも自然現象…受け入れるしかないこと。そんな時こそ、私はもう少し、もう少し我慢強く待てば、暦通りの季節がやってくることを楽しみにしています。

私の仕事も焦らず、ぼちぼちと営業していきながら、「午年」のカレンダーを広めていきます。


2013年4月5日金曜日

「清明」と3候


平成2545日は二十四節気「清明」
今日の大阪はこの暦通り、「万物がすがすがしく明るく美しいころ」となりました。各地いかがでしたでしょうか。
関西では、桜は葉桜とはいえ、名残の桜色と若葉の黄緑色のコントラストがきれいで、これもまたこの時季ならではですね。
これからはいろいろな春を告げる花が咲き始めていきます。
この「清明」については、昨年の4月のプログを覗いていただければ、その周辺の暦についても書かせていただいております。よかったら、戻ってみてください。

さて、先月から書き始めたさらに詳しい暦「七十二候」について、この「清明」の節気内にある3つ候について、書いていこうと思います。

今日、45日~9日くらいまでが初候。
「玄鳥至る」(つばめきたる)
季節は晩春、「燕が南からやってくる」という意味になり、夏鳥の飛来が始まります。

次の410日~14日あたりを次候。
「鴻雁かえる」(こうがんかえる)
「雁が北へ帰っていく」という意味となり、初候と合わせて、夏鳥が南から飛来し、冬鳥が北へ帰っていくという空の主役の交代で、季節の移り変わりの頃となります。

このあたりから、春の景色がなくなり始め、
最後に 415日~19日くらいの 末候「虹始めてあらわる」(にじはじめてあらわる)となります。「雨の後に虹が出始める」という意味です。

ただ、虹というのが冬の間は現れず、春になって出始めると言っても、実際冬の空に出ないわけではないのです。
激しい雨の後、一気に晴れ上がり、きれいなアーチ形の虹が見えると、うれしいものですよね。
でも、夏の夕立の後と違って、「冬の虹」は目に入らず、「春の虹」は霞みがちな空に淡くて早々に消え去ります。
春はその淡さもまた幻想的でいいと言われる理由もわかる気がします。
だんだんと夏にかけてはっきりと見えてくるのは、太陽の光が強くなるからだということは明らかなのですが、天文学的な見地だけではなく、空気や体や心が温まる様子も表現されているように思います。

ところで、「虹」という漢字はなぜ、虫偏なのでしょ。
調べてみると、「虹」とは「形声文字」で、「虫=蛇」+音「工」だそうです。
いにしえの人はあの七色の虹を空にかかる大蛇と見たのでしょうね…。
ちょっと恐ろしいことですが、きっと今以上に空も広く、虹もくっきりと太かったのではないでしょうか。

明日から明後日にかけては全国的に、春の嵐以上の台風らしいですよ。せっかくの春休み最後の週末ですが、少しゆっくりとお過ごしください。

私の仕事は晩春なると、見本の時期も終わり、「営業」が始まります。さて、今年はお客様のところでどんな話が聞けるのでしょう。この時季らしく明るい話であってほしい…。

2013年4月1日月曜日

七十二候 「春分の日」末候



4月1日となってしまいましたが、何かと忙しく、落ち着かない弥生3月が終わり、本格的春の4月を迎えます。
この3月最終日が「春分の日」から次の節気の間の七十二候の末候で

雷乃発声(らいすなわちこえをはっす)  遠くで雷の音がし始める

時候としては、遠雷の音がして、稲光が初めて光る頃。
冬の間は大人しくしていた雷が、遠くの空から聞こえているように鳴り始めるのが「遠雷」や「春雷」です。不安定なお天気で、なかなか気温が上がらない「花冷え」なども、この季節ならでは。
「春雷」は、ほとんどが寒冷前線などによって起こりますが、突然、雹(ひょう)が降ったり、降雪があったりと、まだまだ不安定な時季でもあります。
とはいえ、各地からの桜便りを楽しみに、次の節気を待ちたいと思います。