2013年5月31日金曜日

小満 5/31~6/4 七十二候・末候

大阪は10余日も早く梅雨入りした途端、今日はいいお天気でした。近年はしとしと雨にはなりませんね。
さて、早く始まった梅雨ですが、その前に大切は「麦」の収穫の季節があります。

この節気の末候は 24候 麦秋至る (むぎのとき いたる)

麦の穂が熟して、黄金色になり、収穫の時を表した候です。
この初夏のほんの短いカラッとした時季を「麦秋」(むぎのとき)と呼びます。
「秋」とは春夏秋冬の「秋」という意味だけではなく、穀物が成熟し、収穫の時季を表現しています。実際の「秋」にお米を収穫することを思いますが、全般に収穫の時という意味があるようですね。
今年のように、早く梅雨が来てしまうと、「麦秋」の光り輝く季節は短く、慌ただしい限りです。
だからこそ、日本人はそれぞれの特徴ある短い季節を楽しみ、神から与えられたその季節に感謝できるのではないでしょうか。
でも、こうも急に暑くなると、食欲が落ちてしまいます。最近のお気に入りは、この季節ならではの沖縄の「島らっきょう」。うす塩で漬け込み、削り節とほんの少しの香り醤油で頂く、ピリッとした味わいが癖になります。
内地で採れるらっきょうも今がシーズンで、酢漬けをしたりしますが、中国から伝わり、もともとは薬用だったようですね。
そのらっきょうはヨーロッパに渡れば、若い採れたてがいい香りと味を出す「エシャロット」と呼ばれ、ともに、いい味わいと香りで、食欲増進の効果があるようです。
と、夕刻にお腹が鳴るようなブログとなりましたが、もう6月。来週には新しい節気となります。
季節がどんどんと動き、夏に向かい明るい節気が続きます。うちの仕事も夏物が落ち着けば、カレンダーの問い合わせが続きます。
年末に向けて、いい「秋」が迎えられるよう、がんばらないと。


2013年5月28日火曜日

二十四節気 小満 5/26~30 七十二候・次候


今日 関西圏まで西から梅雨入りですね。ひどくは降りませんが、どんより薄暗く、湿度が上がった気がします。しばらくはうっとうしい日が続きますが、生活にも、農事にも大切な雨ですからね…。

この節気・小満の次候は
「紅花栄う」 べにばなさかう 
紅花畑に一面の紅色の花が咲く…。まさに初夏を思わせる光景。
このジメジメとした、梅雨の季節には、羨ましいような景色ですね。
といっても、私はこの光景は写真だけで、実際に見た事がありません。関西ではあまりない景色のような。ぜひ見に行ってみたいと思っています。
紅花は古代は染料として利用されていたのですが、今も食用、顔料など、幅広く使われています。
「赤」が印象的なこの紅花は時々、お花屋さんの店先で見かけることもありますが、花に小さなとげがあるので、摘み取るのが大変と聞いたことがあります。
この「紅花」は古くは「末摘花(すえつむはな)」と言われ、先端の花だけを摘み取って染料を作ったそうです。

私はこの「紅花」の別名「末摘花」という名で思いだすのは『源氏物語』
平安時代の小説の大作ですが、その頃からすでに、「紅花」は一般的な花であったようです。
『源氏物語』の中で、「末摘花」という女性はとても気立てがよく、光源氏に愛された女性のひとりでしたよね。
でも、到底、美人とは言えず、鼻が赤かったから、こう呼ばれたとか…。
でも、あの当時は「つり目、かぎ鼻」が美人とされていましたから、案外「美形」だったのかもしれませんね…。
それにしても、女流作家にしては、きついネーミング!
ちょっと、女性からは、ひどい言い方ですよね。まぁ、「想像」で本を読む時代ですから、誇張されて当然だったんでしょうね。

例年より10日も早い梅雨入りの今日この頃は、「夏物」の扇子の繁忙期です。手作業で、扇子を仕上げていく様子はまさに、職人芸です。
皆さんも、ぜひ1本、バッグやポケットに忍ばせておいて、この不快指数の高まる時季にひとときの涼を取ってください。

2013年5月21日火曜日

小満(しょうまん) 5/21~25 七十二候・初候


いい季節となりました。大阪は暑いくらいでした。
今日 平成25年5月21日 二十四節気「小満」は草木万物が成長しある程度まで大きくなる頃。「小さく満つる」とはなんとも、奥ゆかしい表現ですが、少しずつ成長する様、秋植えの植物に実がなる頃でちょっとうれしい…という意味のようです。
麦畑がある地域では、実りの季節となり、美味しいビール?となりますね。

沖縄あたりはすでに<梅雨入り>ですが、次の節気とあわせ、「小満芒種」が梅雨を意味するとのこと。

さて、昨年の5月21日が何の日であったか、覚えておられますか。私もすっかり忘れていました。
一年前に書いたブログを読み返して、日本中が空を見上げていたことを思い出しました。
光陰矢のごとし。世紀の天体ショーの「金環日食」の日だったんですよ。雲の切れ間からきれいに見えたことを思い出しました。これも、暦同様、月と太陽の織り成す現象ですね。

さて、小満の初候は
二十二候 「蚕起食桑」 蚕起きて桑を食む(かいこおきてくわをはむ)

普段、目にすることがほとんどない、蚕が緑美しい桑の葉をたくさん食べ、きれいな繭を作り始める頃。
以前は養蚕業といえば「お蚕様」と言われるくらい、農家で大切にされ、よい収入になったと聞いていますが…。
桑の葉というのは写真でしか見た事がないのですが、昔は多くの農家で栽培されていたようですね。
そのため、今も使われている地図記号に、「桑畑」を表す、「Y」マークのような記号を見た記憶があります。小学生の頃に使っていた地図帳を引っ張り出してみてください。(笑)
日常生活に密着した植物だったということがわかります。

今は、蚕のためよりも、お茶などで、美容にも効果があると愛飲されていると聞きますが、やはり、絹のようなきめ細かな光沢のあるお肌になるのでしょうね…。

梅雨が近づくと、デパートなどに扇子が並び始めます。和紙の扇子と一緒に、繭から糸を作った絹生地の扇子もありますね。
本来、日本の絹扇子はとても上等で、風合いが柔らかで、一枚ずつ染め上げて作られ、高価なものなのですが、最近は輸入物がほとんどで、上品な風情のあるものではなく、ちょっと扇子にうるさい私は買う気がしないのです…ってこれは全く個人的な意見ですので、あしからず。

来週は京都のお気に入りのお店で1年に1本の扇子を買い求めようっと。


2013年5月16日木曜日

立夏 七十二候 5/15~20 ・末候 


先週末あたりから、関西は急な「真夏日」で、30℃近い日が続き、夜になると頭痛がして、「熱中症」予備軍のような状態でした。ほんとに梅雨前のいい季節ってどこへ??って思っていましたが、今日は少し気温も下がり穏やかな日和。
春日焼けはしたくはないけど、涼風に誘われ、思わず空を見上げてみたり、街行く「クールビズ」の男性方も、軽くジャケットを羽織り、いい感じ…。

さて、立夏の末候は
二十一候 「竹のこ生ず」(たけのこ しょうず)
土から、筍がひょっこりと顔を出す頃、となります。

あらっ、「筍」??って今年は旬にたくさん頂き、木の芽あえ、若竹、イタリアン、中華、スープにご飯と一通りのフルコースは堪能したのですが、これからですか・・?
と、思うのは私だけではないと思います。
筍は一般的には3月あたりから6月近くまでが旬とされています。ただ、私たちの食卓に上がってくるのは3月から4月がピーク。最近はデパ地下やスーパーも、皮付きの掘りたての筍は見かけなくなってきました。

二十四節気など「暦」はいつも新暦より少し早い目に季節が動くのですが、今回の七十二候はちょっと遅れている?
こんなこともあるのかな?と思いきや、そうではないんです。
筍の種類の違いのようです。

今、私たちがよく頂いている筍は「孟宗竹」といい、江戸時代に中国から入ってきた外来種です。春にまだ土の中に筍がある間に掘り出し、頂きます。
この七十二候で出てくる筍は「真竹」という日本古来の筍のことで、5月から6月にかけてがシーズン。淡竹(はちく)のように、少し細い目の筍で、土の上に伸びた部分を頂きます。
というわけで、この七十二候(本朝・日本版)は江戸時代に作られた暦なので、季節が少し遅れているように感じたわけなんですよね。

もうしばらくして、お野菜売り場で、細く長い筍を見つけられたら、この「七十二候」を思い出してください。それが「真竹」です・・・。

うちの業界はカレンダーシーズン前の夏までは「夏物」として、「うちわ」や「扇子」を扱います。
これも季節先取りで、ほんとに必要になった時には売れなくなります。カレンダーもいっしょです。お正月が来てしまったら、買ってはもらえません。もう次の年を考えています。

私は日本の四季を追いかけ、追われる仕事をさせていただき、心から感謝しています。

2013年5月10日金曜日

立夏 七十二候 5/10~14 ・次候



今日、平成25年5月10日は旧暦の4月朔日(1日)。
今日の大阪のお天気では月は見えませんが、今宵は見えなくて当然。月の満ち欠けがベースとなる旧暦の一日はもちろん必ず「新月」。
こういう「スタート」の日にはなんとなく背筋が伸びるのですが・・。

世間は寒暖が激しすぎて、昼間は真夏日なのに、夜明け前は零度という地域もあるようですね。
さて、立夏も中盤に入り、農繁期となります。

この時季の七十二候は
蚯蚓出「みみず出ずる」 ゆっくりと冬眠していたみみずがやっと目覚め活動し始めます。
二十四節気のひとつに「啓蟄」(けいちつ 今年は3月5日)というのがあったことを覚えておられますか。
冬眠から覚めて生き物たちが動き出すころとされていますが、みみずは2カ月も遅れてスタートということになります…。うらやましい…。
ただ、土から出てきたみみずの働きは、遅れを取り戻すかのように、土を耕し肥やしてくれます。
昔から、「みみずのいる土はいい土だ。」と言われるように、土を食べ、微生物や、有機物を消化し、糞を土へ排泄します。そうやって、土の中に新たな微生物が活発に働き、肥えた土になっていくとか・・。
だから、自然節理に沿ったみみずの動きを考えず、早く、短期間でお米を作ろうとすると、他の化学的な肥料がたくさん必要になるのだと、少し究極とも言える考えもあると聞いたことがあります。

また、こんな話を聞かれたこともあるのでは?
男の子は、「みみずに小便をかけるとオ〇〇〇〇が腫れるよ。」と。
上にあげたように、農地にとって、みみずは益虫。その大切なみみずに・・・・・・・と、いういわれと思っていました。まさにこの通りで間違ってはいないのですが…。
でも、最近になって、ある医学的な報告で、この理論は正しいのだと解明されたとか…。
研究されたことが不思議ですが、これ以上はここではちょっと書きづらいので、気になる方は調べてみてくださいね。。(笑)

少し、今日は暦話からは外れてしまいました・・。(ちょっと反省)

そろそろ、GWの疲れも取れたころ、うちの仕事もあちこちで動いています。
嫌な梅雨になるまでに、外回りをしておかないと、といつも思うのですが、気が付くと、夏が終わります。
ほんと、光陰矢のごとし。

2013年5月6日月曜日

立夏 七十二候 5/5〜9 初候 


今日で長かったゴールデンウィークも終わり。お休みはいかがでしたか。
私は「人が動く時には動かない。」が鉄則なので、これと言って特別に話すこともなく…。
さて、昨日、平成25年55日はトリブルラッキーデー。って、おわかりになりますか。
もちろん、暦の上でですが、「端午の節句」「二十四節気・立夏」「七十二候・初候」と3つ重なった日でした。今年は、縁起のいい「節句」と「節気」が同日だったので、なんかいいことありそうな…でした。
「端午の節句」と言えば、柏餅やちまきを頂き、菖蒲湯に入ると言う風習があります。「菖蒲」は邪気を払う薬草とされているので、湯に入れ体調を整えるという言い伝えとともに、「勝負」という言葉と掛けることで、強い「男子」の節句とも言われています。 
関西では、一昨日あたりから、やっと昼間20度以上となり、暦通り「立夏」を感じることができましたが、冷え込みがなかなか抜けない「穀雨」季間となってしまいました。といっても、どんどんと暦は夏が近づいてきます。
この時季の七十二候 立夏の初候は
「蛙始めて鳴く」(かわず はじめてなく)
夏の気配が感じられる頃、そろそろ雨の季節を予感させるような候となります。
この候は中国版も、日本版も同じ、「カエルの鳴き声」となっており、雄のカエルが求愛のため、夏らしい鳴き声を上げ始める季節と言われています。
早春の「うぐいす」同様、季節を代表する生き物で、だんだんと鳴き方も上手にというか、うるさくなってくるようなので、ぜひ聞き入ってみたいものですね…。

日本人は、カエルの鳴声を聞くのが好きなようで、昔から大変好まれます。特に、声のいいカジカガエルやアマガエルがいいようですね。ただ、このカエル好きは米作りとつながりが深く、雨を予測する生き物と考えられていたようです。
こんなところにも、日本人の農事、特に米作りへの鋭い感覚は研ぎすまされているようです。
この休みが終われば、しばらく、祝祭日はなく、夏まで一気に突っ走る感ありですね。
私の仕事も、本格的に動く季節となります。いいカエルの声が聞こえたらいいなぁ。