2013年10月24日木曜日

二十四節気「霜降」 10/23~11/6 七十二候 初候・次候・末候

もう10月も終わりに近づく頃に季節外れの台風接近と、ほんと変な気候です。
でも、暦通り、朝夕が冷え、紅葉のいい季節もやってきますね。

先日、関西地方産の新米を頂きました。米どころとはずいぶん違うでしょうが、光った米粒が一つ一つがしっかりと主張していて、「塩むすび」が一番でした。ごちそうさま。

「霜結んで厳霜白し」と、晩秋となり、朝霜が見られる頃となります。
「秋の日はつるべ落とし」をほんとに実感できます。初霜が降り、そろそろ、コートや暖房器具の準備など、冬支度を始めます。

そんな季節の七十二候・初候  1023日~1027日頃
 五十二候 「霜始降(しもはじめてふる)」
節気通り「霜降」です。

土の地面や草や野菜の表面にうっすらと氷の結晶が付き始めます。風が弱く晴れた夜には降りやすいようです。降ると言っても、空から降るわけではないんですよ。表面の水滴が凍って霜になります。
早朝は平野部でも、ヒヤッと寒さを感じ、一瞬布団にくるまってしまいますね。
ただ最近は温暖化の影響か、どんどん初霜の日が遅くなっているようですが・・・。

この台風が過ぎれば、来週は 次候  1028日~111日頃
五十三候 霎時施(こさめときどきふる)
秋雨のようにしとしとと降り続くのではなく、パラパラとしずくを散らしてすぐ止んでしまうような雨。霰とも違いますが、降ったかと思えば、すぐ青空が広がったり、季節と共に儚さを感じます。

この時候のように、小雨がパラパラと降って、さっと上がってしまい、青空が見えるという変わり様が早いことから、「女心と秋の空」なんて言われますが、これは「男心と秋の空」という諺もあるので、お互い異性から見れば……ってことでしょうね。
でも、遠くイギリスでは『A woman’s mind and winter wind change often(女心と冬の風)』という諺があり、同じような表現ですよね。でも、イギリス紳士は「冬の風」とは言わないのでしょうか???さすが紳士の国???(笑)

とはいえ、春雨は春を呼んでくる「暖」のイメージに対し、この時季の雨は霧雨とも言われ、寒さを想像できる淋しげな感じを受けますね。

と、月が変われば、末候 11 2日~11 6日頃、
五十四候 楓蔦黄(もみじつたきばむ)
ぼちぼちと平地にも紅葉が始まります。昼夜の温度差が大きいほどきれいに色づくと言われますが、さて今年はいかがでしょう。

葉が赤色に変わることを「紅葉」と呼び、銀杏のように黄色に変わることは「黄葉」と呼びますが、共に読み方は「こうよう」ですね。
山全体が秋色に変わることは「山粧う(よそおう)」。なんてきれいな表現なんでしょ。
緑の葉が落葉前に、色に関わらず、最後の華やかさを魅せることを言うのでしょうね。


こう書いてくるとほんと日本の春と並ぶ、いい季節なのですが、私の仕事は余裕がなく、繁忙期。
もともと家業だったので、物心ついた頃から、「秋を楽しむ」ということをしたことがなく、今年もいつも通り、気付けば北風が吹きすさぶ頃となりそうです。
皆さんは代わりに過ぎゆく秋を堪能してください。

2013年10月9日水曜日

二十四節気「寒露」10/8~10/22 七十二候 初候・次候・末候


台風の通過に伴い、大阪は29℃!これが、二十四節気「寒露」を過ぎた気温とも思えず、どうも、ブログ更新する筆が進まない…。暦は順当に進んでいくのに…。
とまたまた言い訳から始まってしまいました。

さて、108日は二十四節気「寒露」 
晩夏から初秋にかけて野草に冷たい露が宿る頃。
この時季は、空気が澄みわたり、秋晴れの日が続き、清々しく澄んだ夜空が望める季節となります。

この節気の七十二候は
10 8日あたりから1012日 初候
 四十九候 「鴻雁来る」(こうがん きたる)

秋の長雨が終わり、ぼちぼちと晩秋の始まりになります。
この頃は穀物の収穫も盛んな時期で、農家では繁忙を極めます。新米が店頭に並びますね…。

また、露が冷たい空気と接して、初冬の霜に変わる直前は、紅葉が濃くなり、燕などの夏鳥と雁などの冬鳥が交代される時季になります。
この初候は 410日あたりの二十四節気「清明」・次候 「鴻雁かえる」(こうがん かえる)と対の候となり、夏冬の渡り鳥が入れ替わります。
晩秋の寒空を飛んでいる雁を見ていて、ちょっとセンチメンタルな寂しい気持ちになるのは、私だけでしょうか。

1013日あたりから1017日 次候
 五十候 「菊花開く」(きくのはなひらく)
秋も深まり、その季節の花が咲いてきます。私はこの前後の頃に、いい香りを放つ金木犀が好きですが。「菊の花」はもちろん秋の代表格です。

菊の花は、葬送の花墓前に捧げる花というイメージが強くありませんか。実はこれは西洋の習慣が入ってきたためらしいのです。西洋では、元々、菊は墓前に捧げる花のようです。この影響から、病気の見舞いに菊の花を贈ることは、タブーになったと聞いたことがあります。
元々、桜が日本の春を代表する花であれば、菊は日本の秋を象徴する花で、葬送の花ではなかったのです。
『万葉集』には、菊は詠まれていないそうですよ。古来から、菊が葬送の花なら、防人の歌などで詠まれていたと思われるからです。
その後、中世になり、鎌倉時代の後鳥羽上皇は、たいへん菊の花を好まれたとか。
そこから、ご自身の印として菊の図柄を愛用され、それがやがて、天皇家の家紋「菊紋」となったそうです。
ただ、江戸時代には、天皇家の「菊紋」は自由に使えるようになり、一般庶民に愛され、店舗の商標や、和菓子の図案やさまざまの紋様などに取り入れられたようです。
というわけで、私の好きな奈良県にある「菊屋」さんの商標は「菊紋」ですし、菊の花をかだちどった最中が今も愛されるところとなっているわけですね…と食べる話になると、尽きない!!!(笑)

1018日あたりから1022日 末候
 五十一候 「蟋蟀戸にあり」(きりぎりす とにあり)
日も短くなったこの季節、秋の虫たちが一斉に大合唱を始め、夕暮れ時になると、草むらのあちこちから聞こえてきます。秋を惜しみ、霜が降りる次の節気あたりまでの命を燃やさんとばかりに。
そう、この頃からぼちぼち冬の様子がうかがえるようになります。

最近、まとめて七十二候を書いてしまうのも、私の仕事がどんどん繁忙期に入ってきたもので、手抜きをしております。ご注文の決定が遅くなっていること、でも新たにカレンダーの興味を持ってくださるエンドユーザーさまなど、様々な動きがあり、実はこの季節、嫌いではありません。
今しばらく、この季節労働者にお付き合いください。