2015年6月30日火曜日

2015/06/30 夏越え祓い~半夏生


つい先ほど、すぐご近所の「愛染堂」夏祭りの宝恵駕籠と祭囃子が会社の前を通り抜けていきました。夏ですね。

今日は、夏越えの大祓い 6月と12月に行われる神道の儀式。宮中では日常から行われている祓いですが、半年を迎える日に万民の罪を祓うことを大祓いと言います。「夏越の祓」には「水無月」という三角形の和菓子を食べる風習もありますね。形は氷が貴重だった昔の名残りとか、ういろうと小豆、何とも美味しい素朴な取り合わせです。
さて、心入れ替え、残り半年を過ごしましょうか…。
とはいえ、これからが暑い夏の始まり。思うだけで萎えてしまいますね。大阪では、「愛染堂」のお祭りを皮切りに、「夏祭り」がスタート。7月末の住吉神社まで、あちこちで、祭囃子が聞こえ、暑気払いのシーズンとなります。

さて、7月に入ると、細かい暦日である雑節のひとつで、七十二候(夏至末候)
半夏生(はんげしょう) 今年は、夏至から11日目にあたる72日。

半夏(カラスビシャク)が生える頃と言われますが、一説には、ハンゲショウという植物が葉の半分が白くなり、半分化粧をしたように見えるからとか…。
何とも古人は言葉遊びが好きなこと、気持ちに余裕がありますね。

梅雨の後半となるこの時期は、農作業も少し折返しというか、育てるうえで目安となる頃です。蒸し暑さを乗り切る中で、いろいろな風習が生まれています。
私が住む関西では、豊作を祈ってタコを食べる習慣があるとか・・実は私にはその習慣がないのですが。ただ、この習慣は作物がタコの足のように、しっかりと根を張ることを願うものだという意味があるようですね。
 
現実的には、タコにはタウリンが豊富なので、蒸し暑さからくる疲労回復にはもってこいの食べ物。理に叶っているんですよ。
奈良県では半夏生餅を作ったり、瀬戸内四国へ行くと、うどんを食べたりと、各地いろいろな「夏越え」があるようです。

農家にとっては大事な節目で、田植えなどの農作業を一段落させて、お休みを取る日となっていたり。この日は毒気が降ってくるから作業をしてはいけないとしたり、真面目に毎日農作業に勤しむ農家の人に「休息」を即す日であったようです。
蒸し暑い中での外の作業はほんとに重労働。昔から「熱中症」ってあったのでしょうか・・。

この1週間の中、暦が動きます。「半夏生」の2日は満月になり、七夕の7日は、次の二十四節気の「小暑」
ただ、雨が続きそうなので、空を見上げても、満月や天の川が見えるかどうかは微妙なところですが…。
明日から10日間ほど、我が家にハンガリーから19歳の女子大生がホームステイにやってきます。海のない中央ヨーロッパの国の暦?のお話でも聞ければと思います。
もちろん、お土産は、浴衣と扇子とうちわと、来年のカレンダーです。


2015年6月4日木曜日

小満 末候 麦秋至   2015年6月4日


日本列島西から梅雨入り宣言が聞かれる毎日です。521日から二十四節気「小満」に入り、今は二十五候目(七十二候) 末候の「麦秋至」
言葉通り、麦の「秋」です。関西ではなかなか麦畑というのを見る機会は少ないのですが、麦⇒収穫⇒ビール・ウィスキーなどなど となるのは、私だけではないと思いますが…。
大麦や小麦という名称は大きさを言うのではなく、中国では「大麦(おおばく)」といいその訓読みが「おおむぎ」とか、小麦とは昔からある麦ということで「古麦」が転じたり、粉にして使う「粉麦」と言ったり…。語源って面白いですね。

今月6日からは次の「芒種」
これも「種」にまつわる節気ですが、春以降、水が溶け、虫が動き出し、麦を刈り取り、そして種をまき、と農事暦が活発に動く時季。そのため古人から天に手を合わせ祈る文化が定着してきているんですね。

種をまけば、水が要ります。そう「入梅」の季節です。
今年は、暦の上では、611日となっています。「芒種」のあと6日目頃が目安で、「梅雨入り」となります。田植えの時期を決めるのも、この日を目安にしてきたようです。
あちこちの梅の実が黄色く色づき、梅雨に入れば、梅干しをつけたり、梅酒を作ったりと、またまた忙しくなります。
この「入梅」というのは、二十四節気ではなく、暦の上では、「雑節」と言い、二十四節気の間で節目となる日のことを言います。二十四節気を補う意味もあり、さらに季節の移り変わりがわかりやすく、今の生活にも十分生きている気がします。

桜の花の開花や、梅雨入りの様子を見ていると、日本列島がいかに東西、南北に長く、でも、大き過ぎないから、同じ花、同じ気象変化が起こっていくってすごく素敵と思いませんか。(沖縄方面に行くと、まったく違うのですが…)
ただ、近年、どうもこの梅雨も様相が変わり、亜熱帯のスコールのようになってきていますね。台風発生と重なり、被害が出たりと。これも自然現象なので、受け入れるしかないのですが、私たちの「暦」の上では、いつまでもしとしと雨が続き、かびがはえやすい時期なので、「黴(かび)雨」と書いて「ばいう」と読んだり、「つゆ」と呼ぶのは、「露」からきていたり、と古人はその季節変化を真摯に受け入れ、そして生活や仕事に取り入れていくことをまるで楽しんでいたかのようにも思えます。現代人よりずっと、気持ちの余裕はあったようですね。

さぁ、うっとうしいと思いがちなこの季節も、うまく付き合い取り入れながら、日々暮したいですね。
と言いつつ、私の「カレンダー」という仕事は少しゆっくりした時期ですが、同業の「扇子・うちわ」は今が最盛期。

日本のお祭りや普段の生活に欠かせない扇子やうちわは時代を越え、大切にしていくのも、私の仕事です。