2016年7月29日金曜日

平成28年7月30日 「土用の丑の日」



来週はもう8月。8月2日は一番暑い「大暑」の末候 「大雨時行」(たいう、ときどきふる)
まさに、言葉通り、夕立や台風などの夏の雨が激しく降る頃。
もこもことした入道雲は、夕立を知らせてくれます。
折り畳み傘の携帯は必須ですが、最近の雨はゲリラ豪雨で、傘も役に立たないことも・・。

さて、明日、730日は今年の「土用の丑の日」

以前このブログになぜ「鰻を食べるのか。」というのは書かせていただいたのですが、
元々、「土用の丑の日」というのは、年に4回(今年は6回)あります。
ただ、夏の「土用の丑の日」にだけ、鰻を食べる習慣が江戸時代よりできたようですね。
昨年はこの日が2回あったので、鰻屋さんは大忙しな夏だったでしょうね。
「土用」というのは、四立(立春、立夏、立秋、立冬)直前の18日間を指すことで、
そこに、年だけではなく日の呼び方(時刻の刻み方にも…)に使われていた十二支「子、牛、寅、卯…」を重ね、「土用の丑の日」と言われています。

元々、「丑の日」には【う】のつく食べ物を食べるのがいいという習慣があったらしく、
そこで、立秋直前の「夏の土用」に一番暑さにも勝てそうな、旬ではない【うなぎ】を売り込もうという商戦と重なり、「土用の丑の日には鰻を食べる」という習慣が生まれたようです。
その時の候補には、【瓜】なども挙がったようですが、【瓜】では、今の世まで続かなかったかもしれませんね。

昨今、鰻の稚魚不足で価格が高騰し、鰻に代わる〇△のかば焼きなども登場していますし、
夏ではない他の「土用の丑の日」にも鰻を食べよう!と売り出す商戦もあるようで、
夏の暑さには弱い日本人の商魂が熱くなっている気がします。

ただ、この発想力、現状維持に留まらない前向きさは見習いたいものです。

とはいえ、兎にも角にも、明日はいろんな思いを馳せながら、土用の鰻を頂きたいものです。

2016年6月21日火曜日

20160621 二十四節気 夏至

今日は「夏至」
 この言葉は子供の頃から聞いてきただけあって、ほとんどの方はどういう日かわかっておられると思います。決して正確ではないですが、一年の中で、昼の長さが一番長い日。
今日の大阪は予想に反し、晴天で、昼の長さを十二分に感じられる日となりましたが、例年であれば、梅雨の真っ最中で、どんよりした日が多いせいか、あまり昼の長さを感じられないのが常となっていますね。

昨日から各地で大荒れのお天気となり、こんな悠長な暦のお話をしている場合ではないのですが…。

 「夏至」というのは、この言葉そのものに「暦」の上での意味があるというよりは、述べたように、日の長さで「夏」を表しています。
ただ、この節気の中にある、七十二候(3)は共に、植物の名称が示すように、本格的な夏の前のちょっとじめっとした重い空気が感じられます。

「夏至」の反対の日「冬至」の頃に芽を出した「うつぼぐさ」が枯れ、華やかな夏の花が咲き出す時季となり、消えていくものに思いを寄せる古人の風情を感じられたり、
「梅雨」の代表格の花と言えば、あやめ。
私にとっては未だに見分けが難しい「あやめ、しょうぶに、かきつばた」はどれも、梅雨の重い雨を流し落とすような円を描く葉と、姿勢の良い花の姿はしなやかな凛とした「美女」にもたとえられます。
また、日本独自の文化から生まれた雑節のひとつでもある「半夏生」。
半夏生という草の葉が白くなってくる頃、そろそろ田植えを終わらせる節目となり、スタートした農事の繁忙期に一段落がきます。
梅雨の頃は、いろんな植物がこの時季を渡り、6月末の「夏越の祓え」を過ぎれば、次の節気が今年は七夕と重なる「小暑」となります。
「夏越の祓え」とは大晦日と同じ厄災を祓う日として、神社などでは、「茅の輪くぐり」が行われます。(あまり見かけない行事となっているのは寂しい限りですが…)

私を含め、この梅雨の季節はどうも体調が優れなくなってきます。
この季節のお野菜にもいろいろありますが、夏のネバネバ野菜は胃を強くすると言われています。納豆を食べられないというか食べない私ですが、この季節のオクラの粘りは体のほてりを押さえ、夏バテも防止してくれるお野菜のひとつ。お世話になっています。
体をクールダウンさせると言っても、あまり冷たいものばかりはよくないので、晩酌をされる方々も、お酒も「冷酒(れいしゅ)・・冷蔵されたお酒」ではなく、「冷酒(ひやざけ)・・常温のお酒」の方がいいかと…。
それにしても、同じ漢字の音訓読みを変えただけで、意味まで変わってしまい、読む人によってとらえる意味が変わるというのは…日本語の奥深さというか…。

と、唯一、祝日の無い月「六月・水無月」もあと10日。
季節の変わり目を感じながら、この始まったばかりの夏を乗り越えていきたいですね。

2016年3月2日水曜日

2016(平成二八年) 弥生2日


Spring has come!!! には少し早いでしょうか。
今年は閏年。ってわかり切ったことですが、一日得した気分の2月でした。
閏年は4年に一度と決まっています。これは太陽の動きと日常時間をちょっと合わせるため??の太陽を基準とした暦のお話。
旧暦には「閏月」というのがあり、年によっては、1か月間「閏〇月」という月があります。今年はそれには当たっておりませんが、来年は旧暦五月が閏月となり、四月・五月・閏五月・六月…と続きます。
今となれば、「閏」っていい響きだと思いませんか??(笑)
不思議なもので、3月「弥生」と聞くと、昼間の気温が10度も満たない日でも、お天気であれば陽射しに暖かさを感じる気がします。「弥生」という言葉のもつイメージでしょうか。
「弥生」とは「弥」(いや)が「いよいよ」という意味、「生」(おい)が草木が「生い茂る」という意味。つまり、「いよいよ草木が芽吹く」という意味。まさに、この春ということ。耳にもいい響きですね。

関西では、奈良東大寺二月堂では春を呼ぶ「修二会」(しゅにえ)「お水取り」が行われています。32日から12日にクライマックスを迎え、14日までの期間、大松明が焚かれ、無業息災、泰平を願います。
752年にはじめられたと伝えられており、一度も絶えたことがないというのも驚きです。
もとは旧暦の21日(今年であれば、39日)に行われていたので、二月の修する法会ということで、「修二会」と呼ばれたり、二月堂の名前もここからと聞いています。クライマックスの312日には遠く若狭から流れてきているというお水を井戸からくみ上げお供えをするという儀式とともに、大松明が焚かれます。
春を呼び、荘厳な儀式ですが、現実を見ると、最寄の駅から東大寺までの参道も交通規制があり、入場制限もあり、なかなか二月堂へは近づけないようです。
それでもやっとたどり着けた人たちには、きっとご利益があるのでしょうね…。
私のように、このクライマックスの12日には人が多いからと、行かず。どこかの平日に行けば…なんて思っていると祈りは聞き届けられないのでしょうね・・。(笑)

春を迎える行事が続きます。明日は「雛祭り」 
元は中国から伝わった禊(みそぎ)の習慣ですが、この季節の変わり目には災いをもたらす疫病や邪気が入りやすいので、人間の形をしたお人形を作り、禊をしたことが由来とか。
日本では平安時代には宮中行事となり、今も残る「流し雛」はその名残。
今のような、「女の子の節句」となったのは、江戸時代となってから。
「人日の節句(17日)」「上巳の節句(33日)」「端午の節句(55日)」「七夕の節句(77日)」「重陽の節句(99日)」の「五節句」として、重要な年中行事となりました。

今週後半からは急に暖かくなるようですが、
週末3月5日は、二十四節気「啓蟄」
「啓蟄」の七十二候初候、「蟄虫啓戸」・すごもりむしとをひらく。
春が近づくと、人間もウキウキしますが、土中にいる虫たちも動き出します。
虫たちもワクワクしている頃でしょうね。

私の「暦カレンダーを作る」仕事は今が来年のカレンダーサンプル作成のピーク。年の瀬の慌ただしさとは違うこの時季のバタバタ感はこの「ウキウキ」「ワクワク」に似たものがあるような気がします。